電子タバコの健康被害や体への悪影響。実際の研究結果から検証してみた

電子タバコの健康被害や体への悪影響。実際の研究結果から検証してみた

 

電子タバコの健康被害や体への悪影響。実際の研究結果から検証してみた

VAPE、iQOS(アイコス)、グロー・プルームテック、ビタスティック…

”電子タバコ”と認識されているこれらのタバコたちは、”健康的”ということで欧米で爆発的に流行り出しました。

そして、iQOS(アイコス)の登場以降、日本でもちょっと遅れてブームが来ています。

でも、「電子タバコ」についての正しい知識は、国内ではまだまだ浸透していない様子。

たとえば、「電子タバコ」と呼ぶものは、いま若者に人気の「VAPE」という商品のみということ。

最初にあげた、iQOS(アイコス)・グロー・プルームテック・ビタスティックは、正しくは電子タバコではなく「加熱式たばこ」という種類に該当します。

加熱式たばこは、ふつうのタバコと同じく、健康に悪い成分がゼロではなく、普通に「たばこ税」の対象になります。

私は非喫煙者なので正直タバコのことはさっぱりわかりませんでした。

が、電子タバコにかえた知人の”健康うんちく”がどうも腑に落ちず、調べまくってみました。

今回は、電子タバコの種類や日本での認知度合い・健康に関する真の情報をまとめました。

電子タバコと普通のタバコの違い

タバコのことは何もわからない私、同じく非喫煙者の方に向けて、まずはここからお話ししましょう。

今回この記事をまとめるにあたり、いろんな関連学会や協会のサイトや個人のサイトや企業のサイトなど、読み漁りました。

が、まず肝心の「電子タバコとは!?」というのが、それぞれ紹介の仕方が違って、どれが正しい情報なのか全くわからず…

  • 電子タバコと加熱式タバコはちがう
  • 電子タバコとふつうのタバコ(紙巻タバコ)はちがう
  • 電子タバコには加熱式タバコも含まれる
  • 電子タバコはVAPEという商品だけ
  • 電子タバコは電気を使ったタバコ全て

などなどなど…どれとどれが本当でどれが間違っているのか?

あるいは条件が異なる・表現が異なるだけで全部あっているのか??

さて整理していきましょう。

タバコの種類

まずはタバコの種類から。

ひとくちに「タバコ」と呼ぶものにも種類がいろいろあります。

ここでは、JTがウェブサイトで解説しているものが一番わかりやすいので引用&参考に。

タバコには、使うことで身体に有害なものを出すものと、そうでないものと2種類あります。

JTのサイトでは、これを「喫煙具」と「電子たばこ」と分類しています。

喫煙具はざっくりとこんな種類があります。

有害物質を出すタバコ
  • 紙巻タバコ(シガレット)
  • 葉巻(シガー)
  • パイプ
  • キセル
  • 水タバコ(シーシャ)
  • 無煙タバコ
  • タバコベイバー or 加熱式タバコ

喫煙具は、ニコチンやらタールやら一酸化炭素やらダイオキシンやら…もちろん種類によって出す有害物質は違いますが、何らか身体に良くない物質を出します。

これらの喫煙具は健康を害する嗜好品なので、高い税金がかけられ、例外なく「たばこ税」がかかってきます。

有害物質ゼロ
  • 電子タバコ

一方、「電子タバコ」は全くの無害。

有害物質は一切ださないつくりになっています。

だから、「有害物質9割減」とかいう宣伝文句とともに”電子タバコ”として売り出されている某商品は、正確には電子タバコではないのです。

ただし、あくまでも「日本でいうなら」の話しである点は前置きして注意しておきましょう。

さて、タバコに関して全くの初心者だった私、喫煙具に分類されたタバコを念の為丁寧に書き出してみました。

まずは、私の認識でいうところの「ふつうのタバコ」。

紙巻タバコ、別名シガレット

出典:JT「たばこの基礎知識」

タバコと聞いてまっさきに思いつくのがこれでしょう。

先端に火をつけて、紙の下に包まれているタバコの葉が燃焼して、その煙を吸うやつですね。

そしてこちらは葉巻(シガー)

出典:JT「たばこの基礎知識」

紙巻タバコと違って、本体全部がタバコの葉で巻かれているもの。

こちらはパイプ

出典:JT「たばこの基礎知識」

パイプの穴の中に葉を入れて、燃やした煙を吸うタイプのやつです。

昔の探偵のイメージしかないのは私だけでしょうか。

で、こちらがキセル

紙巻タバコがメインになる一つ前に流行ったタバコだそうです。

出典:JT「たばこの基礎知識」

芸者さんが時代劇で吸ってるイメージかな…

こちらが水タバコ

出典:JT「たばこの基礎知識」

私これ持ってます。

仕事でトルコに行ったとき、インテリアとしてもかわいいなと興味本位で購入。

吸った感想は…覚えてないけど、その時の香は甘いかんじだったかな…

水タバコは、燃焼する時間がゆっくりで、少しずつ吸って香りを楽しみながらお茶(チャイ)を飲む、というような使われ方をするもので、中近東ではよく喫茶店に置いてあります。

さてそしてこちらは無煙タバコ

出典:JT「たばこの基礎知識」

初見の私はこれがタバコといわれても、一体どうやって使うものなのかさっぱりでした。

鼻や口に直接このタバコを入れて、味と香りを愉しむもので、煙は出ないもので、「嗅ぎタバコ」と「噛みタバコ」の2種類にわけられるようです。

火をつけて燃やした煙を吸う方法ではないため、煙を気にすることなく使えます。

もともとはフランスの宮廷内で、煙を鼻から吐き出すのが下品だということで煙の出ないこのタバコが流行ったのがきっかけで広まったそうです。

そして喫煙具として最後の紹介がこちらのタバコベイパー(加熱式タバコ・蒸気式タバコ)

出典:JT「たばこの基礎知識」

おや…なにやら電子タバコのような形をしていらっしゃる…

混同される方も多いと思います。

これを「電子タバコ」と認識している方はとても多い。

でもこれは電子タバコとは呼びません。

タバコの葉を火で燃やさず加熱させて、発生した蒸気を吸って愉しむものです。

今の製品でいうところのiQOS(アイコス)やグロー・プルームテック、ビタスティックなんかは全部これに該当します。

以上が、使うことによって有害物質が出る喫煙具に分類されているタバコ。

で、全く無害の電子タバコがこちら。

出典:JT「たばこの基礎知識」

先ほど紹介した、タバコベイパー(加熱式タバコ)との違いは、タバコの葉を使っているか否かというところ

電子タバコは、タバコの葉は入っておらず、液体(リキッド)を電気で加熱させて、発生する蒸気(ベイパー)を吸って香りを愉しむものです。

香りは自分で好きなものを選んで装置の中に垂らして使います。

日本で売ってる製品で該当するものは、今のところ調べた限りではVAPEのみ。

注意
なお、こちらのVAPE、日本で売っているものは有害物質が含まれていませんが、海外ではニコチン(有害物質)入りも、その量も含めて選べる製品が出回っています。だから、もしも無害のものが欲しいといって海外で輸入して購入する場合は、「with nicotine(ニコチン含む)」なのか「without nicotine(ニコチン含まず)なのかをしっかり確認する必要があります」

電子タバコ?E-Cig?

タバコの種類を軽くお話しするなかで、都度都度「日本なら」とかいう言い回しを強調してきましたので、何となく察しがついた方もいらっしゃるかもしれません。

ずばり、電子タバコの説明がどれが正解がわからない、ややこしいことになっている理由は、

日本で使われている「電子タバコ」が指すものと、電子タバコを直訳した「e-cigarette (electronic cigarette)」が指すものとが異なるから。

よくある、英語⇔日本語の変換問題です。

日本で「電子タバコ」というと、どうやら普通の白い紙で巻いてあるタバコより新しく出たタイプの、タバコを差し込む機械を使ったタバコ全てのことを指すように思えますよね。

でもそれは間違っていて、

日本で「電子タバコ」と呼べるものは「VAPE」という商品だけ

VAPEは、有害物質を全く出さず、香りを楽しむもので、どちらかというとアロマに近いというほうがイメージがつきやすいでしょうか。

というか、しくみからして私に言わせるとVAPEはアロマです。。。

で、何度も強調していますが、よく耳にするiQOS(アイコス)とかグローとかプルームテックとかは、「電子タバコ」として売られていたとしても、本当は「電子タバコ」とは呼びません。

正式には「加熱式タバコ」

だから、よくあるサイトで「電子タバコと加熱式タバコの違い」といったものがひっかかってくるのは、両者がまったく別の種類の嗜好品だからなのです。

一方、よくある間違いが、iQOS(アイコス)とかグローとかプルームテックとかを電子タバコとして紹介しているサイト。

これ、「電子タバコ」と「e-cigarette (electronic cigarette) 」とすれば正しいのですが、日本語で解説する際は間違っているので読み手は注意が必要です。

後だしになりますが、英語から直訳される電子タバコは「e-cigarette (electronic cigarette)」

いや、正確には”電子タバコ”ではありませんね。

e-cigarette (electronic cigarette)は、海外でいうところの、何らかの装置を使ってとか電気を使ってとかいう仕組みで吸うタバコのことをまとめてそう呼んでいるものです。

「electronic」ですからね!

日本語の「電子タバコ」の「電子」は、別に「electronic」を指しているものではないということで、混乱が起きているのです。

CDCによると、e-cigarette (electronic cigarette) にはいろんな種類のタバコが含まれています。

出典:CDC 「Electronic Cigarettes」

「e-cigs」「e-hookahs」「mods」「vape pens」「vapes」「tank systems」「ENDS」とか…

E-cigarettes are known by many different names. They are sometimes called “e-cigs,” “e-hookahs,” “mods,” “vape pens,” “vapes,” “tank systems,” and “electronic nicotine delivery systems (ENDS).”

引用:CDC 「Smoking & Tobacco Use」

はいここでまた混乱しがちな方も。

「vapes」「vape pens」という、日本で売られているVAPEらしき名称がありましたね。

まず大前提が、VAPEは製品名、「vapes」「vape pens」は、りんごの品種が「ふじ」とか「玉林」とかいろいろあるの一緒で、その種の総称。

そして、これは先ほどもお話ししましたが、VAPEは日本ではニコチンを全く含まない製品として売られています。

が、海外では違うということ。

要注意ですね。

ニコチン入りの「アイコス」「グロー」「プルームテック」は、日本では「電子タバコ」と呼べない

はい、しつこいですが何度も申し上げましょう。

日本で「電子タバコ」とは、今のところVAPEと呼ばれる製品のみです。

つまり、「電子タバコにかえた」と言って、アイコス・グロー・プルームテックなど、ニコチン入りで税金もかかっているタバコを「健康だし周りにも迷惑をかけない」と使っている人がいたら、それは間違いです。

正確には加熱式タバコ(たばこベイパー)と呼びます。

本来は、電子タバコは有害物質ゼロ、だから「電子タバコ」と言って吸っている人がすぐそばいても、なんの害もありません。

でも、VAPEではない電子タバコを電子タバコと言って吸っている場合、普通のタバコより量は少ないものの、身体に害のある物質を受動喫煙することになります

タバコの葉にはニコチンが含まれていて、加熱したり火で燃やしたり水出しなどでニコチンを出します。

普通のタバコは、タバコの葉を火で燃やしてニコチンを出す原理。

加熱式タバコは、高熱で加熱することによってニコチンを含んだ蒸気を生じさせるのが特徴です。

プルームテックだけはちょっと違う仕組みのようですが、水蒸気を使ってニコチンを出す仕組みです。

加熱式タバコが健康的だといわれる理由は単純に「火で燃やさないから」

燃やすというのは、基本的に良くない。

それを回避した製品が流行るのも納得でしょう。

そういうわけで、電子タバコは本来はVAPEのみ、ですが、私達の多くが、加熱式タバコを含む電気の力を使ったタバコをまとめて電子タバコと認識しているのも、また事実です。

電子タバコの使用状況

以上を踏まえたうえで、電子タバコの使用状況などの統計情報をお話ししましょう。

なお、これからご紹介する統計情報は、VAPE以外を電子タバコだと思っている回答者も入っている結果とご承知ください。

2015年に、大阪府立成人病センターにより、電子タバコの認知と使用割合についての調査結果が報告されました。

電子タバコの認知状況

調査の対象になったのは15〜69歳の男女、インターネットで行いました。

全部で9,055名から回答があり、そのうちの8,240名を分析しました。

その結果がこちら。

  • 回答者全体の48%が電子タバコを知っていた(男性53%、女性43%)
  • 喫煙者は、非喫煙者よりも20%~30%多く電子タバコを知っていた
  • 全体の6.6%が電子タバコの使用経験あり(男性9.2%、女性4.1%)
  • 全体の約1.3%は直近30日以内で電子タバコの使用あり(男性1.7%、女性0.9%)
  • 全体の約1.3%は電子タバコを習慣的使用していた
  • 今喫煙している人は、男性3.2%、女性4.4%が、直近30日間に電子タバコを使用していた
  • 非喫煙者も、男性3.5%、女性1.3%が電子タバコの使用経験あり

なるほどなるほど。

こちらのアンケート結果は納得です。

ちょっと驚いたのは、非喫煙者も含めた2人に1人くらいは電子タバコを知っていたという事実。

この調査は2015年に行われていて、もうそれから3年経っていますので、もっと認知度はあがっているのでしょうね。

国内の電子タバコの使用実態

続いて、同時期に調査された、電子タバコの使用実態について。

対象は、電子タバコ使用経験者および喫煙者。

全部で3,201名より回答をもらい、そのうちの748名が分析対象になりました。

その結果がこちらです。

  • 電子タバコを今使っている人の75.3%は、紙巻き or 手巻きタバコを併用していた
  • 電子タバコを今使っている人の11.6%は、非喫煙者だった
  • 電子タバコを今使っている人の17.8%が毎日電子タバコを使用していた

なるほどなるほど。

非喫煙者としてショックなのは、電子タバコを使っている人の8割弱が、紙巻タバコも使っているということ。

健康を意識して電子タバコにしたのになぜだ…

例えば1日3本のうちの1本を電子タバコにしたという健康意識の高さ、そういうことだろうか…

非喫煙者の電子タバコに対する考え

こちらは、調査会社の株式会社マーシュが報告したもの。

2017年に非喫煙者に対して電子タバコに関するアンケートをしたとのことです。

インターネットによる調査で、対象は株式会社マーシュに登録している国内の1,000名(男性:41.1%、女性:58.9%)。

その結果がこちらです。

  • タバコのにおい・煙が「気になる」「やや気になる」:89.0%
  • タバコが気になる場所トップ3は「飲食店」「喫煙室・喫煙コーナーの周辺」「路上」
  • 電子タバコ・加熱式タバコが「普及してほしい」「やや普及してほしい」:46.8%
  • 受動喫煙対策の禁煙法案は8割が「聞いたことがある」、「内容までよく知っている」は26.0%
  • 禁煙法案については「賛成」「やや賛成」が8割

私は非喫煙者で、タバコのにおいが本当に嫌い。

子供もいるため、余計ににおいや煙は気になります。

非喫煙者は喫煙者よりもタバコの煙やにおいに敏感なため、余計に気になるというのはもともとわかっていることですが、やはり9割もの非喫煙者ができれば避けたいのがこのにおいと煙。。

一方で、電子タバコ・加熱式タバコが「普及してほしい」と思うのは、私の主観ですが「ちょっとちがう」。

加熱式タバコは喫煙率をむしろ上げたり、害がないわけではないから、というのが私の意見の理由ですが、同じように電子タバコ・加熱式タバコを疑問視している人は多いのかもしれません。

電子タバコの体への健康被害や影響~過去の研究紹介~

では、電子タバコに関する統計情報を踏まえたうえで、電子タバコの効果や害の比較などの研究を一挙にご紹介しましょう。

まず注意いただきたいのが、こちらでご紹介する研究は全て海外のもの。

つまり、「電子タバコ」の定義が日本とは違い、有害物質を出すものも含みます。

電子たばこが喫煙のきっかけに

こちらは2017 年8月にアメリカのジャーナルに公開された最新の研究です。

電子タバコへの健康への効果は期待されるし、電子タバコは紙巻きタバコより少ないが依存性があるため、長期的な影響についてはまだわからない、このことを前提に、

「電子タバコは若者が喫煙を始めるきっかけになっている」ということが明らかになった点です。

また、電子タバコを使ったことがある子どもは、後にほぼ2倍の確率で普通のタバコを吸うようになるという調査結果も発表されています。

2018年4月に発表された同研究チームによる報告でも、電子タバコを使ったことのある若者は、18か月後に普通のタバコを吸い始める”喫煙者”になるリスクが高いと報告していて、非喫煙者へのタバコの吸い始めを防止する働きかけが教育課程においても必要になってくると主張していました。

毎日の電子タバコは心臓発作のリスクを2倍に

こちらは、2018年6月、つい最近にアメリカ心臓協会が発表したもの

報告によると、水タバコや紙巻タバコなど燃焼させることで使用するタバコが健康に悪いことはわかっているものの、それ以外の電子タバコそのものの危険性ははっきりした研究がないということ。

研究チームは、電子タバコなどに使われている9種類のフレーバーが、人の血管に与える影響を調べました。

その結果、9つ全てのフレーバーが血管に悪い影響を及ぼすことがわかったのです。

つまり、電子タバコや関連タバコ製品に使われるフレーまた、バーの添加剤が、心臓疾患の前兆になるリスクが高いと結論づけました。

はい、まさかの、有害な化学物質を除いて”無害”と思われた電子タバコのフレーバーが健康によくないとは…

これは恐らく電子タバコに限ったはなしではないように思えますが、こういった切り口から電子タバコそのものの危険性が研究されるようになっています。

電子タバコから発がん物質が発見

続いてこちら。

アメリカの小児学会誌には、電子たばこの蒸気を吸った16歳の子どもの尿から、5種類の発がん物質が見つかったという症例報告が発表されました。

厚生労働省が2018年1月に報告したものによると、加熱式タバコの煙にも発がん物質が含まれているとのことでした。

その量は、紙巻タバコの4分の1に相当するとのことです。

また、電子タバコを長く使用している人は、紙巻タバコと同じ程度のニコチンを摂取していて、ニコチンによる依存の症状を引き起こすこともわかりました。

先ほどご紹介したとおり、若者の電子タバコの使用は喫煙を始めるきっかけになるということがわかりました。

が、その一方で、成人の喫煙者が「禁煙したい」場合には「喫煙に伴う病気を減らす機会が得られる」と考察しました。

とはいえ、他の論文と同様に長期的な影響はわかっていないと締めくくっています。

このように、こちらの論文は、電子タバコは普通のタバコを吸うよりも病気のリスクは減らせると、どっちかというと肯定的に書かれていました。

ここまでご紹介した論文は一部ですが、このように電子タバコの健康への影響は急ピッチで研究が進んでいます。

実際、今のところは、研究の数が少ないこと・長期のデータがないということから、明らかな「体への影響」はわかっていませんので、論文も賛否両論です。

そんな”どっちつかず”な状態は、日本国内では大抵否定的に動くもの。

日本禁煙学会や呼吸器学会、国立がん研究センターなどでは、「体に悪影響だ」という研究結果を大々的にアピールし、「電子タバコはいいもんじゃないぞー」というのを呼びかけています。

禁煙には効果なし

電子タバコを吸うことが体にどんな影響を与えるかということに関して研究が進んでいますが、こちらは「禁煙」という目的で電子タバコを使用される方に。

電子タバコの禁煙への効果については、先ほどは肯定的な論文をご紹介しましたが、日本国内ではその逆の結果が出ました。

国立研究開発法人国立がん研究センターは、電子タバコの禁煙の有効性を調べ、報告しました。

調査の対象は、過去5年間に紙巻きタバコをやめようとした約800名。

禁煙方法・禁煙成功者数・失敗者数を分析したところ、

  • 電子タバコ使用による禁煙の有効性は低い
  • 電子タバコを使用した人は、使用しなかった人よりもタバコをやめられた人が38%少なかった
  • 電子タバコが禁煙の成功確率を約1/3低下させている
  • 禁煙外来を受診して、薬物療法を受けた人は、禁煙の成功確率を約2倍に上昇させている

こんな結果になりました。

海外で禁煙には電子タバコがいいかもしれないとの見解が出ている一方、このような結果が国内で出ました。

でも当然、日本国内での流れは「電子タバコは禁煙には効果がないよ」のほう。

電子タバコ VS 加熱式タバコ

続いて、気になるのが電子タバコと加熱式タバコの危険性の違い。

さきほどの論文でご紹介した結果と似ていますが、2017年8月に発表されたこちらの論文では、電子タバコ・加熱式タバコ、紙巻きタバコを比較し、発がん性を調査したとのこと。

その結果、発がん性の高い順に、

  • 紙巻きタバコ
  • 加熱式タバコ
  • 電子タバコ

となったとのことです。

なるほどなるほど、特にコメントの必要なく納得ですね…

タバコの害についての一般的知識

ではここで、一般的知識としての「タバコの害」について少しお話しします。

タバコに含まれる有害物質

タバコを燃やすことで出る煙には、それはそれは身体に悪い物質がたくさん含まれています。

例えばこれら。

  • ニコチン
  • タール
  • アセトン
  • ブタン
  • ヒ素
  • カドミウム
  • 一酸化炭素
  • トルエン

どうみても有害な化学物質ですね…

アセトンは例えばペンキ除去剤に含まれるし、ブタンはライター用燃料に、ヒ素はアリの殺虫剤、カドミウムは車のバッテリー、一酸化炭素はご存じ排気ガス、トルエンは工業溶剤に…

ニコチンはもともと体内にない物質で、それが体に入ることで「またほしい」と思うようになってしまう中毒物質です。

タールはご存じ、発がん物質。

燃やして出る副流煙にはこれほどの有害物質が含まれるわけです。

でも本人がそれを承知で喫煙しているなら自己責任でどうぞと思いますが、問題は受動喫煙

受動喫煙の害

タバコをもともと吸わない人は吸う人よりも敏感なこともあり、本人が吸う能動喫煙よりも、他人の吸っているタバコの副流煙による受動喫煙のほうが被害が大きいのです。

日本禁煙学会によると、なんと、1回の受動喫煙は1日5本~10本の能動喫煙に相当するとのこと。

また体への影響を比較すると、受動喫煙のほうが高いということもわかっています。

出典:一般社団法人 日本禁煙学会「受動喫煙䛾影響 (南山堂禁煙学第 3 版より)」

出典:一般社団法人 日本禁煙学会「受動喫煙䛾影響 (南山堂禁煙学第 3 版より)」

一方、加熱式タバコは、燃やすのではなく加熱するのがメカニズム。

燃やすわけではないので、燃やして出る有害物質はありませんよ!というのがメーカー側の主張。

でも実際にはその程度が確かめられている研究はまだまだ少ないです。

健康にいいですよというのは嘘、加熱式タバコは健康にいいことはありません。

ただ、紙巻タバコと比べると健康被害のリスクは少ないですよということですね。

なお、禁煙したくて、「まずは加熱式タバコから」と考える方、それは逆効果なのでやめてください。

加熱式タバコは禁煙率を低下させるという研究結果がしっかりと出ているのです。

今回は「禁煙」をテーマにしていませんが、禁煙したくてもできないという方は、電子タバコにするならVAPEに、それでもダメなら禁煙外来を受診してください。

日本禁煙学会は激しく警告

電子タバコは賛否両論ですが、日本禁煙学会では断固反対の姿勢です。

出典:日本禁煙学会 「17.7.18 加熱式タバコ 緊急警告!」

それには根拠があって、、、

上記の緊急警告の内容をものすごく簡単にするとこのようなかんじです。

加熱式タバコの構成は大体一緒で、最近そのうちのアイコスから出る蒸気の成分がわかったとのこと。

確かに、多環芳香族炭化水素類という有毒物質は減少しているが、発がん物質は普通のタバコと変わらないとのこと。

でも構造的にニコチンの量が少なくなっているじゃないと思えますが、喫煙する人は、自分が満足する血中濃度に達するまで喫煙を続けるので、結局は普通のタバコを吸っているのと変わらないということ。

さらに電子タバコが質が悪いのは、

  • 煙が目に見えにくい
  • においが少ない

性質があるから、意識的に避けるのが普通のタバコに比べると困難になります。

だから、「喫煙行動」全体を見た時に、受動喫煙による体への害ももちろん、電子タバコが本当に健康のために少しでも良いものなのかと問われると、断じて肯定できない。

そういうことを言っています。

私もハッとしました。

においや煙が目立たないからといって、有害物質がゼロではない限り、非喫煙者にとっては加熱式タバコは避けるにこしたことがないのです。

おわりに

私は非喫煙者ですので、喫煙者の方々がいま、どんなに肩身が狭い思いをして喫煙されているかわかりません。

そして、喫煙者はもれなく「それが有害であることをわかっている」。

だから、少しでも害の少ない電子タバコが流行っていますが、電子タバコ(だと思っている加熱式タバコ)にかえたからといって油断は禁物。

「電子タバコならいいや」と、紙巻タバコだった時は遠慮していた場でもついつい吸ってしまっていませんか?

でも、何度も申し上げたとおり、日本国内では、いろんな製品を「電子タバコ」と呼んでいるが、実際に無害なのはVAPEのみ。

だから、煙が少ない・においも弱いからといって、これまでの普通の紙巻タバコの時に反して、非喫煙者の前で堂々と吸ったりしないでほしいです。

私は電子タバコの知識がこれまであまりなかったため、「電子タバコは悪くないからだいじょうぶ」というアイコス使用者の言葉を信じて、目の前で喫煙するのを容認していました。

今回この記事を執筆するにあたりいろいろと調べ、アイコス有害なんだ~ということを知ってがっくり…

これは非喫煙者も喫煙者も共に気をつけるべきことですが、タバコについてはその害をよく理解することが大事だと思いました。

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