危険が多い「熱中症」の主な症状とおすすめの熱中症予防対策レシピ | ヘルスケア110番~予防医学の専門家が教える健康管理プロジェクト

危険が多い「熱中症」の主な症状とおすすめの熱中症予防対策レシピ

このところ、気温が高くなる日が増えてきています。4月後半から猛暑になる地域もありました。

夏に向けて、日差しが強くなり気温も高まってくると言われ始めるのが「熱中症対策」です。テレビや雑誌のニュースだけではなく、街の広告でも「熱中症対策グッズ」を見かけますよね。

熱中症と聞くと、外の強い日差しで体調を崩す……というイメージがありますが、実は室内でも熱中症は起きることがあります。

特に幼児や高齢者は注意が必要で、私が福祉施設で働いていた時にも、夏場は熱中症対策を心がけていました。

今回は、夏に向けて「熱中症」の基礎知識と、熱中症の対策や食事のレシピを紹介します。

熱中症の主な症状とそれぞれの特徴

まずは「熱中症」について、簡単におさらいしましょう。

汗によって身体から出てしまった水分などの補給が足りない場合や、体温の上昇自体が身体に悪影響を与える場合がありますが、それらの「暑い環境で起きる健康障害」をまとめて、熱中症と呼びます。

熱中症の重い症状としては、以下の4つが挙げられます。

  • 熱失神
  • 熱疲労
  • 熱けいれん
  • 熱射病

 

熱失神の特徴

体温を外に逃がすために皮膚の血管が拡がった結果、脳への血流が少なくなって起きる症状です。

立ちくらみや、一時的な失神が起きることがあります。

熱疲労の特徴

大量に汗をかき、水分補給が十分でない時に、脱水症状で起きる症状です。

頭痛や吐き気、倦怠感などの症状が特徴です。

熱けいれんの特徴

大量に汗をかき、水分だけを摂ってミネラルが不足した場合に起きます。

手足がつる、痛みを伴うけいれんといった症状が出ます。

熱射病の特徴

体温の上昇のため、脳の体温調節機能などに異常をきたした状況です。

言葉が不明瞭になるなどの意識障害や、体温が高いにも関わらず、体温調節のための汗が出ていないのが特徴です。

熱中症の起きやすさを示す「暑さ指数」

気温が上がると熱中症が起きやすくなりますが、実は熱中症に関わる要素は「温度」だけではありません。

建物の壁から放射される「輻射熱」の強さ、周囲の「湿度」なども、熱中症と大きく関わる要素です。

たとえば、エアコンで部屋の気温を下げていたとしても、日中の熱を溜めこんだ壁の近くで眠ると、熱中症の原因になりえます。

また、湿度が高いと汗が空気中に蒸発しにくくなるため、体温が下がらずに熱中症を引き起こしやすいのです。

多くの要素が原因となる熱中症のリスクをより分かりやすくするため、1954年にアメリカで「暑さ指数(WBGT)」が提案されました。

単位は気温と同じ「℃」ですが、

  • 気温
  • 日射・輻射など周辺の熱環境
  • 湿度

の3つの要素を取り入れており、特に「湿度」を重視しているのが特徴です。

暑さ指数は、働く環境や運動する環境の指針として有効であることが国際的にも認められており、

日本では環境庁が熱中症の予防のために公開しています。今年は4月20日よりホームページで公開を始めました。

環境省熱中症予防情報サイト 暑さ指数

各地域の「暑さ指数」の予報が公開されていますので、お出かけの際の参考にするのもいいでしょう。

暑さ指数の使い方

暑さ指数は、25℃以上になると日常生活でも熱中症に警戒する必要があります。

25℃といっても、気温だけではありません。単位が同じなので混同しやすいですが、あくまで暑さ指数が25℃以上ということです。

特に28℃以上になると、熱中症の発生が増えると言われています。

【出典】環境省熱中症予防情報サイト 暑さ指数とは?

暑さ指数と、日常生活の目安を紹介します。

温度 レベル 注意事項
25~28℃ 警戒 運動や激しい作業をする場合は、こまめに休憩。
28~31℃ 厳重警戒 出かける時は炎天下を避けて、室内では室温の上昇に注意。
31℃以上 危険 高齢者の場合は、安静にしていても熱中症が発生する危険性。外出はなるべく避けて、涼しい室内に移動。

熱中症の予防と対策

熱中症を予防するために、3つのポイントを覚えておきましょう。

注意
  • 水分をこまめに摂ること。汗で水分や塩分(電解質)を失いやすいので、水やスポーツドリンクを持ち歩くのがオススメです。
  • 涼しい服装を心がけること。身体にフィットした肌着は、汗を効率よく蒸発させて体温を下げやすいと言われています。その上に風通しのいい、ゆったりとした服装を着るのがいいでしょう。
  • 直射日光を避け、休息を取ること。直射日光は体温を上げやすいため、帽子や日傘を使う、日陰で休むなど、直射日光を避けるように心がけましょう。

熱中症の対策は、水分と塩分(電解質)の不足と、体温の上昇を防ぐのが重要です。

応急処置の方法

【出典】環境省熱中症予防情報サイト ##熱中症の対処方法(応急処置)

上記は熱中症の応急処置のチェックリストも表です。

もし、まわりの方が熱中症になってしまったら、早めに応急処置を行いましょう。

症状を見て、重症度に合わせた処置を行うのが大切です。

重症度を3段階に分けて症状と処置の方法を説明します。

重症度1の症状

  • 手足がしびれる
  • めまい・立ちくらみ
  • 筋肉がつる・こむら返り、筋肉の痛み
  • 気分が悪い、ぼーっとする
重症度1の対処方法

必ず、他の人が一緒にいて見守ることが大切です。

日陰や室内などの涼しい場所へ避難し、冷やした水分・塩分を補給しましょう。

自力で水分が摂れない場合は、病院へ。

重症度2の症状

  • 頭痛がする
  • 吐き気がする・吐いてしまう
  • 身体がだるい(倦怠感)
  • 意識がなんとなくおかしい
重症度2の対処方法

涼しい場所に避難して、衣服をゆるめ、ぬらしたタオルを当てる、あおぐなどの方法で身体を積極的に冷やしましょう。

太い血管が通っている脇の下や左右の首すじ、足の付け根などを冷やすと効果的です。

また、水分、塩分の補給を行いましょう。

重症度3の症状

  • 意識がない
  • 身体がひきつる(けいれんを起こす)
  • 呼びかけに対して返事がおかしい
  • まっすぐに歩けない・走れない
  • 身体が熱い
重症度3の対処方法

重症度2の対処方法に加えて、すぐに救急車を呼びましょう。

経口補水液とは塩とブドウ糖を混ぜた水分

熱中症になった時の水分補給として「経口補水液」という言葉をご存知の方もいらっしゃるのではないでしょうか。

「経口補水液」とは、体内に吸収されやすいように塩とブドウ糖を混ぜた水分のことです。

医療現場では、食中毒などによる下痢や嘔吐で脱水を起こしている時にも使用されるのですが、もちろん熱中症対策としても優秀なものです。

ドラッグストアや通信販売などでも買うことができますので、置いている場所を知っておきたいですね。

実はこの経口補水液、ご家庭で作ることもできます。もしもの時のために、覚えておきましょう。

材料
  • 水……1リットル(5カップ)
  • 砂糖……大さじ4と1/2
  • 塩……小さじ1/2

これをよく混ぜて溶かせば、できあがりです。飲みにくい場合は、レモン汁を少し加えると飲みやすくなります。

熱中症対策のおすすめレシピ

暑さが本格的になる前に、熱中症対策の食事のポイントを覚えておきましょう。

夏場は体力を消耗しやすいので、エネルギーの代謝に必要なビタミンB1や、紫外線からお肌を守るカロテンやビタミンCを補うのが大切です。

ビタミンB1は豚肉に、カロテンやビタミンCは赤や緑など色の濃い野菜に多く含まれています。旬の夏野菜は水分やカリウムも多く、オススメの食材です。

また食欲が落ちている時は、梅干しなどの酸味と、はちみつなどの甘味を上手に使って、さっぱりと仕上げましょう。

最後におすすめのレシピをいくつか紹介します。

豚肉とゴーヤのはちみつ梅炒め

出典】豚肉とゴーヤーのはちみつ梅炒め

材料(2人分)
  • 豚薄切り肉……200g
  • ゴーヤ……1/2本
  • 玉ねぎ……1/4個
  • エリンギ……1本
  • ミニトマト……4個
  • 油……大さじ1/2
  • 梅干し……大1個
  • はちみつ……小さじ1
作り方
  1. 豚肉を一口大に切ります。ゴーヤは縦半分に切り、ワタを取って薄切りにします。玉ねぎは幅8mm程度の薄切りにします。エリンギは半分の長さに切って、縦4等分にします。ミニトマトは半分に切ります。
  2. 梅干しを包丁で叩いてペースト状にし、はちみつと合わせておきます。
  3. フライパンに油を入れて火にかけ、豚肉を中火で炒めます。火が通ったら、玉ねぎ、エリンギ、ゴーヤ、ミニトマトの順に炒めて、(2)を加えて味を調えればできあがりです。

ビタミンB1とタンパク質が豊富な豚肉に、ビタミンCがたっぷりのゴーヤは、夏場の栄養補給に最適です。

梅干しの酸味がはちみつでマイルドになるので、さっぱりして食べやすいおかずに仕上がります。

キヌアのカラフルサラダ

【出典】キヌアのカラフルサラダ

材料(2人分)
  • キヌア……80g
  • 枝豆(ゆでてサヤから出したもの)……30~40サヤ分(40g程度)
  • ミニトマト……5個
  • コーン缶(ホール)……1/2缶
  • ブラックオリーブ……4個
  • (A)酢……大さじ2
  • (A)粒マスタード……大さじ1
  • (A)はちみつ……大さじ1/2
  • (A)塩……小さじ1/3
  • (A)エゴマオイル(またはオリーブオイル)……大さじ1
作り方
  1. キヌアを目の細かいザルや茶こしなどを使って、2~3回洗います。鍋にたっぷりのお湯を沸かし、キヌアを入れて15~20分ゆでます。よく湯切りをし、粗熱を取っておきます。
  2. ミニトマトは4等分に、ブラックオリーブは薄切りにします。
  3. ボウルに(A)を上から順に入れて混ぜます。
  4. (3)のボウルに枝豆、ミニトマト、コーン、ブラックオリーブと、(1)を加えて和えれば、できあがりです。

キヌアとは「穀物の母」とも呼ばれる雑穀の一種で、穀物の中ではタンパク質を多く含み、食物繊維やビタミンB群も豊富なのが特徴です。

枝豆、ミニトマト、コーンなどの夏の食材を組み合わせれば、彩りと栄養のバランスがいい一品になります。

モロヘイヤの万能梅だれ

【出典】モロヘイヤの万能梅だれ

材料(4人分)
  • モロヘイヤ……1袋(70g程度)
  • 梅干し……大1個
  • きゅうり……1/2本
  • かつお節……小1袋(4g)
  • しょうゆ……小さじ1
作り方
  1. きゅうりは8mm角に切ります。梅干しの種を取り、包丁で細かく叩いてペースト状にします。
  2. モロヘイヤの葉を手でちぎります。太い茎の付け根からちぎって、葉と太い茎に分けます。太い茎の方を8mm位の長さに切ります。
  3. 鍋に水を入れて、塩を入れて中火にかけます。沸騰したらモロヘイヤの茎を入れ、さらに葉を加えて20秒位ゆでて、湯切りをします。粗熱が取れたら、包丁で細かく叩きます。
  4. ボウルにモロヘイヤ、梅干し、きゅうり、かつお節、しょうゆを入れて混ぜ合わせれば、できあがりです。

モロヘイヤはカロテンやビタミンCを豊富に含んだ夏野菜。「野菜の王様」とも言われ、高い栄養価で知られています。

ご飯のお供にはもちろん、豆腐やそうめんなどにもピッタリの、さわやかで旨味たっぷりの万能たれです。

鶏肉や豚肉をシンプルに焼いて、ソース代わりに万能梅だれをかけるのもいいでしょう。

まとめ

今回は「熱中症」の基礎知識と予防・対策を紹介しました。

まとめると、以下のようになります。

まとめ
  • 「熱中症」とは、暑い環境で起きる健康障害の総称で、主な症状は「熱失神」「熱疲労」「熱けいれん」「熱射病」の4つがあります。
  • 熱中症のリスクは「暑さ指数」で判断することができます。暑さ指数が28℃以上になると、熱中症が起きやすくなります。
  • 熱中症を予防するための3つのポイントは「水分をこまめに摂ること」「涼しい服装を心がけること」「直射日光を避けて、休息を取る」です。
  • 周りの人が熱中症になったら、涼しいところに移動させ、体温を下げ、水分と塩分を補給しましょう。症状が重ければ、すぐに病院へ。
  • もしもの時のために、経口補水液のレシピも知っておくと便利です。
  • 酸味を効かせたおかずや万能だれで、美味しくビタミンを補給しましょう。

これから暑さが本格的になってきます。夏を前に「熱中症」の予防と対処法を知って、猛暑を元気に乗り切りましょう!

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